元祖もつ鍋 楽天地 食の安全を第一に世界のもつ鍋王へ ―後編― | みんなのHACCP(ハサップ)
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元祖もつ鍋 楽天地 食の安全を第一に世界のもつ鍋王へ ―後編―

博多名物といえば“もつ鍋”ですが、福岡県に11店舗を展開し、自社工場の新規設立で全国へお土産製品の出荷数を増やしている楽天地の水谷社長に成功の秘訣を伺いました。食の安全が第一と水谷社長はお話します。成功の裏にある秘密とは?

水谷社長のインタビュー前編はコチラ【元祖もつ鍋 楽天地】食の安全を第一に世界のもつ鍋王へ —前編— https://mhaccp.jp/interview/post-355/

楽天地 水谷崇社長

■順風満帆に思えた楽天地の転機とは

・お土産の生産を始めて4年。爆発的な出荷量の増加

2017年にセントラルキッチンを設立し、お店の食材の仕込みと併せて通販物販をする40坪くらいの場所を作りましたが、あっという間に手狭になりました。その折、2021年に女優の綾瀬はるかさんが、テレビ番組楽天地のもつ鍋を食べておかわりをしてくれたんです。

そうしたら通販の受注が4万セットありました。それを機にお土産製品の生産体制を強化しようと工場の新設に取りかかりました。新しく作った工場は動線や、設備など従業員が苦労しないように工夫してできる限りの設備を整えました。

・食品工場の設立でもつ鍋を博多から全国へ

設備の整った工場を前に製造業の経験のない私たちは果たしてどうこの工場を回せるだろうかと戸惑いもあったんです。その年10月に工場の引越しをしましたが、直後の11月にお土産製品に不備が発見され、自主回収を行いました。

この時は情けないというか、なんというか、食の安全への意識が私たちは甘すぎたんだと痛感しましたね。もちろんもつ鍋の総合メーカーとして、この件は反省することしかなく、同時に各方面にお詫びをしてきました。こんな思いはもう二度としたくない、社員にもさせたくない。安全性を第一にしていこうと認識を改め、食品安全は外部の専門企業を探しました。

・衛生管理体制の構築を行い、売上向上の体制強化

外部の力も借りつつ2022年の1月からJFS規格*の認証取得に向けてHACCPの取り組みを本格的にはじめました。始めて驚いたのは準備する帳票類の多さです。こんなことまでしなくてはいけないのかと、目を丸くしながら取り組みました。ただ、言われてみると必要なことばかりでしたので社員にもなんとか頑張ってもらいました。

―会社全体として安全への意識を再認識し、取組を強化する。

■HACCPに取り組む中で起きた変化とは

一番は社員の意識の変化が大きかったです。 “万が一ではだめ、百万に一でもミスは防がなくては”という意識が根付いたと思います。

飲食店であれば多少のミスはその場で対応ができるため、まるく収めることができるものの、食品工場の出荷製品であればお客さんに直接会うことができない分、厳密な管理が必要だと痛感しました。

社内の意識の変化の中で特に印象に残って嬉しかったこととして、工場長の声があります。

・社員の成長ーそれぞれが考え、意見を言える自発的な組織へ

今年、真空包装機を新たに買いなおす予定なんですが、今までの器機だとときどき2重包装されてしまう問題がありました。メーカーからの修理もされているし壊れていないのでいいだろうと私は考えていましたが、現場の工場長から

「確かに、機器は壊れていませんが、それでも万が一の包装不備で製品に穴が開いていたらどうするんですか。百万に一のリスクを防げないですよ。」と言ってもらったんです。

元祖もつ鍋楽天地 お土産2人前
【元祖もつ鍋楽天地 お土産2人前】

それを聞いて買い替える判断をしましたよ。社員からの声は嬉しかったです。より安全性を向上するために新しい真空包装機を入れる予定です。社員それぞれが考え、意見を言ってくれる。今はそれぞれの役目を社員に分担できています。

■将来の展望ー物販は約2倍、ベトナムにも出店

今年度は会社全体で25億円の売上を見込んでいますが、飲食部門と物販部門で半々の売上を見込んでいます。コロナの影響は終わったものと考えて、業績もコロナ前と比較し、物販は約2倍になっています。通販・物販で人気の商品にしていきたい。

通販で味を知ってもらったお客さんに実際に店に足を運んでもらいたい。4~5年前にベトナムにお店を出して「モツナベ!」の定着を狙っている。

■衛生認証を取得し、世界へ

同じようにイギリスやロンドンなど世界の方々にも、もつ鍋を知ってもらいたいと夢を描いています。HACCPの取組は世界に向かう上でも必要で、今回をきっかけにJFS規格*のステップアップに向けて取り組みを継続していきます。博多の食文化を世界に広げる伝道師になりたいです。

ー目指すは世界。水谷社長の想いともつ鍋の戦いは続く。

*JFS規格:一般財団法人食品安全マネジメント協会が開発・運営する食品の安全管理の取り組みを認証する規格(https://www.jfsm.or.jp/

<有限会社楽天地>
URL: https://www.rakutenti.jp/
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この記事を書いた人

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