【元祖もつ鍋 楽天地】食の安全を第一に世界のもつ鍋王へ —前編— | みんなのHACCP(ハサップ)
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【元祖もつ鍋 楽天地】食の安全を第一に世界のもつ鍋王へ —前編— 

博多名物といえば“もつ鍋”ですが、福岡県に11店舗を展開し、自社工場の新規設立で全国へお土産製品の出荷数を増やしている楽天地の水谷社長に成功の秘訣を伺いました。食の安全が第一と水谷社長はお話します。成功の裏にある秘密とは?

楽天地 水谷崇社長

■元祖もつ鍋楽天地と 2 代目水谷社長の歩み

自己紹介させて頂きます。元祖もつ鍋楽天地2代目代表取締役をしております、水谷崇(みずたに たかし)と申します。宜しくお願い致します。楽天地は親父の代で開業しまして、もつ鍋専門店として現在 47年目になります。「もつは焼いて食べるのも好きだったけど、煮て食べるとものすごく美味しい。

だから俺はもつ鍋のお店をやるんだ」と内装工事の会社をしていた初代社長が心機一転、立ち上げました。

  1. 1975年 ・・・・ 開業「元祖もつ鍋楽天地」
  2. 1990年代 ・・・ 第一次 もつ鍋ブーム
  3. 2001年・・・・・ 狂牛病の問題
  4. 2003年・・・・・ 二代目社長に就任

・狂牛病問題で20店舗から5店舗へ

1990年代に第一次もつ鍋ブームがあって、それまでは福岡の地元民だけが食べていたのが、東京・大阪などを中心に全国的にブームとなりました。しかし順調だったのは束の間、2001年に狂牛病が全国的に大きな問題となりました。

牛肉、特に脊髄やもつを食べた人には頭にプリオンができて狂い死ぬというヤバいものでして・・・もつ鍋専門でやってきた楽天地は大ダメージをうけました。もつ鍋ブームが去りつつあるタイミングでしたが、狂牛病の問題でもつを食べる人がめっきり減って店舗数は20店舗から5店舗まで減少しました。そこから3年間は売り上げが経たない状況にあったんです。

・銀行員から家業の立て直しへ

私はその頃大学を卒業して、地元の銀行に就職し 10 年間が経っていました。融資などに関わる中で商売の勉強もさせて頂き、自分でも商売をしてみたいと考えていました。どうせ変えるならピンチの時に・・・もつ鍋の商売の面白さを感じて家業の立て直しに取り掛かりました。

・両親からの反対

その頃、親父は心臓にカテーテルが入り、母ちゃんには胃がんがみつかりました。家業を継ぐことを両親から求められてはいませんでしたが、親父に話すと止められました。もうその時には会社がつぶれかけていたからですね。「おまえも商売に挑戦するのか、大変ぞ。」と親父からは最終的には感謝されたものの、状況は悲惨でした。母ちゃんは「せっかく安定しとっちゃけん、そっちをやりいよ、何しようと?」と泣いていました。今ならその気持ちも分かりますよね。

―2代目の水谷社長が家業を継いで19年。その当時から比較すると、売り上げ規模で約10倍、福岡で11店舗、ベトナムと韓国に各1店舗の他に、食品工場とニラの水耕栽培農場を自社で構えるまでに企業拡大した。

■どん底からのV字回復 楽天地の強みとは

強みは何よりもつ鍋専門で行くという点と福岡地域に集中するという2点の絞り込みです。家業を継いだ際に親父から、「“もつ”しかだめだよ」と、もつ鍋専門店でぶれずにやっていくことを続けてきました。当時多額の借金を抱える中で、思いついたのがネット戦略でした。

福岡市の売上を倍増しようにも市民が倍に増えるわけでもないので、県外の東京や大阪のビジネス客が来るように何をすべきか考えもつ鍋の検索でヒットするように、独自でSEO対策を行いました。その結果“もつ鍋”の検索ワードで検索上位に来るようになり、それからは県外のお客さんがたくさん来てくれるようになりましたね。

  • ”もつ鍋一本”で進めるブランド戦略
  • SEO対策

・拡大とともにサービス水準の問題に直面

ただそこで新たな問題が発生したんです。それはサービスの質の問題でした。それまでは地元でB級グルメとして広まっていたもつ鍋で、いうなれば某テレビ番組の汚いけど旨い店に紹介されるようなお店でした。それが味でもあったんです。

しかし、東京など遠方からくるお客さんは、飲食店に求めるサービス水準が高いため今までの営業ではお客さんについていけなくなりました。おもてなし、味、すべてにおいて、従業員レベルの向上に務めました。現在では34人の社員と100人に近いアルバイトを抱える企業にまで大きくなりました。

―地元の方々には定着したお店がベースだったが、以降は客層の変化もあり衛生面やお店の質の向上が必要になってきた。

■食の安全を第一にするきっかけは何だったか

そうですね。今まで通販自体は30年程やってきましたが、食品の衛生基準が変わって、商品については HACCP が必要だというのは何年も前から聞いていました。いずれは中小の業者であってもきっちり準備をしなくてはいけないと考えていました。

ただ、私たちは飲食店経験が豊富でも製造工場を作った経験がない。じゃあどうするんだと、お土産商品を検討する過程で保健所のアドバイスや取引先から求められる表示やラベルなど学びながら試行錯誤してきました。正直、HACCP を一から取り入れ実施するまで手は回っていなかったです。いつかはしなくてはいけないといった意識はありました。

―悪戦苦闘しながら、お土産製品の生産を開始して 4 年。出荷量が右肩上がりに増加する中で 2021 年に転機が訪れる。(後編へ)

<有限会社楽天地 水谷社長>
URL: https://www.rakutenti.jp
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この記事を書いた人

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