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■そもそもハラールって何?
『ハラール』という言葉を聞いたことはあるでしょうか。イスラム法によって定められていて、ムスリム(イスラム教徒の人々)の生活全般のベースになっているものです。
・神に許された「もの」や「こと」
『ハラール』とは、イスラム教の教えにおいて「許されている」という意味のアラビア語です。ムスリムは食べ物だけでなく、行動や服装など全てにおいてハラールかどうかをベースに生活しています。
・許された食べ物!ハラール食品
ムスリムの人々は、ハラールフードを日々食べて生活しています。
○代表的なハラール食品
- 野菜
- 穀物
- 魚介類、海藻類
- 豆類
- 牛乳
- 玉子
- イスラム教の方式にしたがって屠畜・加工された動物の食肉
牛肉や鶏肉は食べてもいいですが、それにはイスラム法に則った食肉処理が施されている必要があります。
・禁じられている!ハラーム食品
ハラールの反対で『ハラーム』は「禁じられている」という意味です。
○代表的なハラーム食品
- 豚肉
- アルコール
- イスラム法に則って処理がされていない食肉、及びその動物由来の成分
- 犬やかぎづめのある動物
- 血液
また、自分自身ではハラルかハラムか判断できないものをシュブハと呼び、このシュブハもムスリムは避ける傾向にあります。
・ハラール≒ハラームを避ける
ハラールを全て覚えておくというのは難しいので、基本的には「ハラームを避ける」と考えましょう!また、ハラールとハラームは国や地域であったり、個人や学派によっても解釈が異なる場合があり、最終的には自己責任で判断することが許されているのでそれも理解しておきましょう。
■お店選びの目安!ハラール認証のマーク
レストランなどの飲食店でハラールフードを取り扱っているか見分けるために、『ハラール認証』という制度があります。食品化学と宗教の観点から、専門家がハラールであると保証したものだけに与えられる認証です。
・4人に1人がムスリム
現在世界人口の4人に1人がムスリムで、日本で生活しているムスリムの人口は、10~20万人と言われています。日本に住むムスリムは、主にハラール認証を受けた飲食店で食事したり、ハラルフードを取り扱う業者から食材を購入しています。
・ハラール対応の需要拡大
世界のムスリム人口は増加していて、日本在住のムスリムの人々や観光客もこれから増えていくと予想されています。それに伴いムスリムが安心して生活、食事をするために、ハラールフードに対応した飲食店の需要が高まっています。
・ハラール認証で他店との差別化
ムスリムの人々にとってハラールフードであるかが飲食店を選ぶ際のポイントです。メニューや写真だけでは判断が場合があるので、ハラール認証マークは一目で分かるので安心してお店を利用することができるでしょう。
■飲食店のハラール認証取得
ハラール認証機関は民間も含め数百以上あり、その判断基準や認証取得費用も認証機関によって異なります。条件を満たし、ハラール認証機関に認証された飲食店は「ハラールマーク」を掲示することができます。
・2種類!食品に関するものと飲食店に関するもの
ハラール認証は食品に関するものと飲食店に関するもので2種類あります。食品のハラール認証は製造過程において使用される原材料、製造方法、添加物などが、イスラム教に則っていることが条件です。食品のハラール認証をとることで海外輸出でイスラム圏との取引を行えるようになります。
・HACCP認証が必須!?飲食店でのハラール認証
飲食店でハラール認証を得るには、店舗内で使用される食材や調理器具、清掃用具などがハラールであることが求められます。アルコール飲料の提供がないことが条件で、店舗の内装やデザインにも決まりがあります。また、ハラール認証をとるにはHACCP認証を取得していることが前提の機関もあります。
■まとめ
・ハラールをしっかり理解して正しい情報を伝えよう
ムスリムの方々が来店された時に、ハラールを理解していればスムーズにコミュニケーションが取れると思います。ハラームを含まないメニューを伝えましょう!ハラール認証がない場合でも、ムスリムが判断するのに必要な最低限の正しい情報を提供できれば安心して飲食をしていただけると思います。
・衛生管理を見直そう
ハラールに対応するには、ハラームを含まないことはもちろん食材の管理や、調理工程も非常に重要です。衛生管理を見直すことがハラール対応への第一歩になります。
・店舗に合ったハラール認証を!
ハラールの認証機関は数百以上あり、判断基準も異なります。店舗に合った認証機関を探し、認証の取得を目指しましょう!