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HACCP講座

飲食店HACCP 宴会

飲食店での稼ぎ時はそれぞれ異なりますが、宴会など大人数に対して料理を提供する場合、特に食中毒への注意が必要です。
忘年会シーズン・年末年始・歓送迎会等でたくさんのお客様が来店する事になるでしょう。
2020年6月から制度化されたHACCPにおいて宴会での注意点をまとめました。

温度管理

料理には細菌が増殖しやすい危険温度帯があります。
危険温度帯は10度から60度です。
この温度帯をできるだけ避けるまたは早く通過する事がポイントです。

HACCPの考え方を取り入れた衛生管理ではメニューを3つの温度帯グループに分けて管理する事が求められます。

第1グループ:加熱しないもの(冷蔵品を冷たいまま提供)

生野菜など、洗浄できる食材の他にすでに加工された食品は加熱して殺菌することができません。
開封後の保管方法を決めておきましょう。
10度以下で肉魚などの食材と交差しないよう封をして保管しましょう。
また、盛り付けやトッピングなどではもしも細菌が付いた場合、そのままお客様に提供されてしまいます。
盛り付け時の手指や皿の衛生には十分に注意が必要です。

(例)生野菜は洗浄後、次亜塩素酸水で除菌してから流水で流してカットする。

第2グループ:加熱後すぐ提供するもの、加熱後温存保管して提供するもの

肉魚などをしっかり加熱して細菌を死滅させることが重要です。
一部の牛肉のステーキでは中がレアであっても表面の加熱ができていれば菌は死滅しますが豚肉や鶏肉、レバーなどの内臓類は中心までしっかりと加熱が必要です。
厚生労働省では中心温度75度で1分以上の加熱が推奨されています。
腸管出血性大腸菌やカンピロバクター等の食中毒は肉の生焼けや、肉類からの二次汚染で起きることが多いためです。
また、加熱後に保温する食品は60度を下回らないようにしましょう。

(例)ハンバーグは中まで火が通るように中火で片面5分、返してもう片面3分焼く

第3グループ:加熱後冷却し再加熱して提供するもの、加熱後冷却して提供するもの

なぜ加熱後に再び冷却する必要があるのでしょうか。
それは加熱しても死滅しない細菌がいるためです。
加熱後に危険温度帯に長時間放置することで生き残った細菌が大量に増殖します。
特に冷めにくいカレーなどの煮込み料理に増殖する細菌は再び加熱しても毒素が残るため最初の加熱後に急速に冷却する必要があります。
小分けにして氷水で粗熱をとるなどの工夫が推奨されます。

(例)スープは調理後にスープウォーマーで85度の設定温度で保温する。

特に大人数の宴会では・・・

宴会では通常よりも大量の仕込みをする必要があります。
量が増えたことで加熱が行き届きにくくなります。
一度に揚げる揚げ物の量、煮込み料理の量が多くなり、しっかり中心まで温度が上がっていることが確認できていますか?
また、特に注意が必要なものはグループ3の加熱と冷却を繰り返すメニューです。
宴会料理では、前菜や煮込み料理が事前に調理され、直前で盛り付けられる事が多いと思います。
加熱調理されたものはでき次第、すぐに冷却しましょう。
冷蔵庫に入りきらないものは小分けにして氷水等で冷やしましょう。
目安は30分以内に中心温度を20度(または60分以内に中心温度を10度付近)まで下げる事です。
保管の際はしっかりと蓋をし、菌の侵入を防ぎましょう。
再び加熱する際は中心まで火が通る温度でしっかり加熱をして提供しましょう。
食中毒の発生は加熱後に料理を常温放置していたことや、再加熱時に十分中心まで加熱が行き届いていない事を原因にするものが多いです。

調理から提供までの時間

特に大型宴会で苦労する事は提供までの時間です。
調理したものをすぐにお客さんに食べてもらいたくても、個別の盛り付けや、宴会場までの配膳で時間がかかってしまいます。
また、宴会ともなると、重役の挨拶やお客さん同士が話に夢中になって提供された料理をすぐに食べないような場面も多いです。
宴会の終盤で前菜からコース内容すべての料理をまとめて食べるような人もいます。
この場合は飲食店側が介入できない問題ですが、鮮魚などが2時間ちかく客席に放置されている場面もよく出くわします。
ですからなおの事、スムーズに料理提供までを行う必要があるのです。
大気中には様々な雑菌が浮遊しています。
せっかく調理した料理をできるだけ衛生的に食べてもらうには、効率の良い調理のタイミングと動線・人数を揃える必要があります。

まとめ

宴会を売り上げの要にしている飲食店はすでに大量調理の経験も豊富だと思います。
しかし過去には宴会での食中毒で大人数の患者が報告されてきました。
また、普段は数人単位での提供しかしていない小規模な飲食店が貸し切り営業などで普段とは違う料理や大量の調理を行う際はガス台や冷蔵設備が追い付かず食中毒事故が起きやすいので要注意です。
普段と違うことを行うときに気のゆるみは出てくるためです。
ポイントは有害微生物を「つけない」「ふやさない」「やっつける」です。
用途に分けてまな板・包丁を使い分けていますか?洗浄や温度管理は十分ですか?
HACCPの考え方に基づいた衛生管理は飲食店の大小関わらず実践していけば食中毒を事前に防止できます。
特に大型宴会では指揮を執る調理長の他にも若手や経験の浅い調理メンバーもいる事でしょう。
経験の浅い調理人は温度管理を十分に実行できていなかったり、使い分けで過ちをすることがあります。
一人のミスが大量の食中毒患者を生み出すことになるのです。
HACCPの記録管理は責任者一人で行うものではありません。
ぜひメンバーに周知して教育の観点でも有効に活用して頂きたいと思います。

この記事を書いた人

みんハサ編集部

みんハサ編集部

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