主な食中毒 – みんなのHACCP
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主な食中毒

食中毒は全体の半数が飲食店で起きています。
残念ながら飲食店での衛生管理レベルは十分ではありません。
飲食店での食中毒事故は多数の被害が同時に報告される例が多いのが現状です。
HACCP(ハサップ)ではこういった危害を防止することが目的とされています。
飲食店からすると耳の痛い話で、直接売り上げに関わらないと切り捨ててしまいがちです。
「最低限の事が出来ていれば大丈夫」「手も洗っているし、料理も火を通しているから」と後回しにしていませんか?
衛生管理はできて当たり前の事柄で、事故が起きなければ大丈夫!ではないのです。
一つの不注意で多数の被害を出し、指導対象・営業停止になる事例は後を絶ちません。
衛生管理の指標になるように全国で報告事例が多い食中毒をまとめました。参考になるように予防方法も一緒に確認しましょう。

主な食中毒等 一覧

3位:アニサキス

アニサキスは言わずと知れた寄生虫です。
甲殻類から海水魚と宿主を変え、鮮魚を摂取することで人に害をもたらします。
この寄生虫の怖いところは、喫食後体内の組織にまで侵入し死滅後も場合によっては肉芽腫が形成され、場合によっては急性腸炎や虫垂炎、慢性的経過後に胃潰瘍や胃がんに発展する可能性があることです。
原因は海水魚でサバ、タラ、スルメイカなどを釣ったばかりの新鮮な状態で喫食する事です。
予防法としては-20度以下での冷凍処理か60度以上での加熱処理が有効です。
また、2~3センチの虫体は白っぽく線状で目視でも確認ができます。
鮮魚を仕入れて生食で提供する際などは内臓をできるだけ早く取り除き、よく見て確認しましょう。
アニサキスは内臓に寄生し、魚体が死ぬと身に侵入してくるためです。しめさばやイカの塩辛などの塩蔵処理、酢の処理ではアニサキスは死滅しませんので注意が必要です。
平成30年の食中毒発生件数では一般家庭を含めて1位です。

事故例

平成21年、千葉市内の飲食店で刺身定食を食べた7名のうち3名が食後4時間以内に胃痛・吐き気・蕁麻疹・発熱を訴え、そのうち1名からはアニサキス虫体が摘出されました。
原因食品は刺身に使われた鮮魚(アジ、ハマチ、タイ、カジキのどれか)だと考えられています。

2位:カンピロバクター

鶏、牛、豚などの家畜が保菌しており特に鶏肉での事故数が多い食中毒です。
下痢、腹痛、発熱、頭痛、吐き気など一見して風邪症状と見誤ることの多い食中毒の一つです。
発症まで2~7日と潜伏期間が長いことから原因の追究までできない事も加味すると実際の報告件数よりかなり多くの患者がいると考えられます。
主に加熱不足で起きることが多く、鶏のたたきや、生レバー、焼き鳥などの報告があります。
また、生肉から交差汚染も報告されています。
予防法は中心温度75度で1分以上の加熱です。
市販の鶏肉は70%以上がカンピロバクターに汚染されているともいわれています。
この食中毒は交差汚染の予防と加熱をしっかり行えていれば防げるため、対処の使用があります。
しかし、5月から9月と気温の高い時期に多く、平成30年の食中毒件数は300件を超えます。

事故例

平成28年兵庫県内の飲食店において、鶏ささみのタタキを食べた父子が食中毒症状を呈しカンピロバクターの食中毒と断定されました。
この2名のうち父親は食中毒が原因でギランバレー症候群を発症し、四肢に麻痺が残り介助生活を余儀なくされました。
ギランバレー症候群はカンピロバクター食中毒の治った後、数週間でごくまれに発症する四肢のしびれや麻痺が見られる症状です。
裁判では飲食店に対し1.5億円の損害賠償請求がなされる事例になりました。

1位:ノロウィルス

他の食中毒と比較しダントツで患者数が多いのがノロウィルスです。
1件の事故で平均30人以上の多数の患者数が報告されています。
食中毒患者数のうち約60%はノロウィルスでさらに発生原因の約80%は調理従事者からの汚染だと考えられています。
中には被害が100人を超える大規模なものもあり、飲食店の他にも病院や給食施設など食品を扱う事業者では最も恐れられている食中毒です。
嘔吐、下痢、腹痛が強い症状として現れます。
場合によっては発熱・頭痛が見られることもあります。
原因食品としては二枚貝があり、特に二枚貝の腸管内に存在するため、生で腸管ごと食す生ガキなどで感染します。
また、人から人の感染力が強く、100個以下で比較的少量のウィルスの摂取でも感染するため、貝を扱っていなくても大きな事故につながります。
予防法としては中心温度85度で1分以上の加熱と手洗いなどの交差汚染の防止、次亜塩素酸ナトリウム等での消毒です。
特に水っぽい下痢の症状がある人が調理に携わることは大きなリスクです。
体調確認で不調が見られた場合はすぐに帰宅させることが理想的です。
そうはいっても、ノロウィルスの感染が増える時期は11月から3月の冬季になります。
多くの飲食店の繁忙期にあたり、従業員を休ませることは容易ではありません。
そのため、体調管理の徹底の他にも感染の可能性が高い生ガキなどは食べないといったルールも必要でしょう。
一人の感染から営業停止などの厳しい処罰が課せられることもあるためです。
企業によってはトイレの使用時に飛沫感染などが起きぬようガウンを用意する、履き物を変えるなどの対策が取られています。
個人飲食店ではトイレが一つしかなかったり、そこまでの万全の体制がとれない部分もあります。
ガウンは雨合羽のようなものでも構いませんし、用意できなくてもエプロンや白衣を脱いで利用しましょう。
サンダルに履き替えるだけでもウィルスの付着は減ります。
水洗時は蓋をしてレバーを直接触らないよう紙を挟むなどの工夫も有効です。

事故例

平成24年12月、新潟県の小中学校給食で提供されたもち菓子を食べた1665名中472名が食後8~80時間で嘔吐、発熱、腹痛、下痢などが発症しました。
調査の結果、原因はもち菓子に付着していたノロウィルスで、製造従事者のうち2名が素手で作業しており、トイレのタオルは共用だったことが分かりました。
このことから、ノロウィルスに感染した従業員が素手でもち菓子にノロウィルスを付着させ、給食で大量に提供したことで事故が発生したと推定されます。

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みんハサ編集部

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